ナチュラル花壇 12のポイント

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いよいよ最終章の下編になります

#9*肥料について

こやしを効かせたいところはどこか?

まずはしっかり光合成して栄養を作るためにを茂らせ、子孫繁栄、次の世代へバトンタッチのための花、実、更なる成長に向けしっかりしたが全体を支え、水分養分を吸収するとどれも順調に育ってくれればよい苗になります。

そのためには成分の配合をチェックしましょう。主に葉に効く窒素(以降Nとします) 花を咲かせ実を成らすリン酸(以降Pとします)根茎を太く丈夫にするカリウム(以降Kとします)、そのほか栄養の吸収を高めるカルシウム(Ca)マグネシウム(Mg)を5大栄養素としてほかに微小要素を取り入れることでより健全に育ちます。

それでは入手するときに5大栄養素の内の最初の3つN:P:Kの配合をチェックしましょう。同じ数字が並んだ8-8-8や10-10-10、あるいは16-16-16などの表示を印刷したパッケージも見るかもしれません。これはバランスよく入っているのでビギナーからベテランの方まで安心して使って頂けると思います。

ただし植物側から見ると葉を茂らせたい時、花芽が出てきた時、それから休眠前などで必要な要素は違いますし、前回の施肥がどのタイミングでいつ切れたのか判断が必要になってきます。植物からもサインが発せられていますので、よく観察していくことが重要です。

 即効性のある液肥、長く効き目の持続する緩効性(カンコウセイ)肥料の玉肥、自然由来の遅効性(チコウセイ)肥料の有機肥料、これらをステージに合わせ適度に使い分けるのが、肥料過多にならず、上手に咲かせるコツです。

土づくりの段階で多めに有機肥料である堆肥を入れます。あとの章で説明しているマルチングにも堆肥を使います。根の張り出し時期がはっきりしない植えた直後は玉肥で継続的に栄養を補充します。

ピーク時になり、水分、栄養ともに吸収する時期には液肥を観察しながら適量使うと効果にメリハリのついた花壇になります。また活動を休止している冬場には即効性のものは必要なく、有機肥料や玉肥はなじんでから効果が出るのに時間がかかりますから時期を逆算して補充すると良いでしょう。また肥料過多は次の章にある病害虫を発生させやすくするので、適量与えることが大切です。

    

#10*病害虫について

 対策のキーはいずれの場合も早期発見、早期治療 

  害虫の種類は大きく分けて2種類あり葉を食べるものと樹液などの汁を吸うもの、病気の多くはカビに由来にするものとそれ以外のもの、また虫の排泄物を原因とするものの大きく3つに分けられます。

悪い患部を除去して虫には殺虫剤、カビには殺菌剤を散布したり根から吸わせたりします。農薬の効果を少ない回数で最大限に活かすにはタイミングが重要です。

虫に関してツバキにチャドクガという虫がつきやすい、またチャドクガが発生しやすい時期は芽だし直後のこの頃だというのがはっきりしていることがあります。これは毎年お付き合いするタイプの虫です。

それに対してある虫が今年は多く発生していて植物が被害に合うというケースがあります。食物連鎖が関係していて、この虫のえさ虫が増えた、天敵の虫が少なかったなどの理由で大量発生します。但し大量発生した後はえさが不足する等が原因でこの傾向は長く続きません。よってまた別の虫が優勢になり被害をうける植物も年々変化していきます。いつもと違う植物で被害が多くなったら【植物の名前 害虫】などで検索すると画像がでてくることが多いので虫を特定して農薬をお求めください。

ここでちょっとしたことですが、ほとんどの虫はゴキブリ駆除のスプレー薬で駆除できます。早期に発見して処置が少なくすむ場合は30センチくらい離してスプレー剤をかけるのも一手です。

*植物によっては薬害が出る可能性があるため、目立たない部分で試してからご使用ください

カビに関しては正直に申し上げて厄介です。一般に入手できる薬品をかけて完治を目指すものは少なく、被害拡大を食い止めるものがほとんどです。カビを出さないためには健康体になるようにしっかり土づくりをして良い菌を多く蓄え、長雨の前に予防程度に軽く殺菌剤をかけるのが理想です。少ない回数に抑えられるのが良いに越したことはありません。

これ以外にも色々な症状がありますので、酷い場合はプロに相談するのもよいでしょう。

#11*マルチングについて

 マルチングの効果はマルチ効果

土の上に何かを被せ、カバーすることをマルチングといいます。これが実は沢山のメリットを生んでくれます。

  1. 乾燥を防ぎ、水分を保つ。
  2. 地中の温度の変化を緩やかにし、一定に保とうとする。
  3. 雑草の種が土表面に着きにくくすることで雑草の発芽率を抑制する。
  4. 自然素材であれば分解の過程で土中に栄養を供給し良質な菌の住処になる。
  5. 植物の葉の色などに対してコントラストが効いて見た目がきれいに映える。

などなど一つだけでなくマルチに効果をもたらせてくれます。

マルチング材料は木材を粉砕したウッドチップ、これをさらに小さくし発酵させてより分解の進んだ完熟堆肥 腐葉土等ありますが、何でも良いというのが私たちの持論です。

そう遠くない昔、日本の庭園ではきれいに掃除を終わらせた後マルチングに松の葉をまいていましたし、ケヤキの葉は買って集めるほどマルチに適しているといわれました。私たちはその後の有機分補充のことも考えてバーク堆肥(樹皮堆肥)を主に使っています。

#12*年間の管理について

晩秋の管理が実は全体の中でもキーポイント

四季のある日本では、温度によって成長期とそうでない時期とに分けて管理をすることがポイントになります。育つ時期にしっかり活躍を、耐える時期には次の成長期に向けて準備をすることが肝要です。いつも伸び放題では花壇枠のサイズに対してきれいなバランスを保てません。

一年かけて花壇全体で徐々に伸びたものは冬場を迎える前の(昨今は秋が短いですのでベストタイミングが難しいのですが)春苗の入れ替えをするときに、高くなりすぎた低木類や枯れ落ちない宿根草を適切な位置まで切戻して全体のバランスを整えましょう。

    

何年もかけて育て切り戻しを繰り返してきたけれど、全体に大きくなってきてどれを目安にしていいか分からなくなってきたときは、一つポイントがあります。花壇の奥行きの一番あるところの長さを測ります。(これをDとします)、奥行きの長さ(D)の1~1.5倍くらいを目処に植物の一番大きなもののトップに切り戻します。すると翌シーズンはトップの大きさは奥行き(D)の1.5~2倍程度のサイズに収まり全体のバランスが良い状態を保てるようになります。

上記の内容をやってみてそれでも収まらないくらい大きくなったら晩秋に大きくなりすぎたその植物だけを掘り上げて別の場所に移し、残った他の植物で花壇を再構築していくのも楽しいのではないでしょうか。花壇も5~6年くらいまでは足し算でそれ以降は引き算で考えていくといつまでも楽しむことができます。

花壇サイズから割り出した美しいバランスも是非頭にいれながら楽しんでください。またマルチングを追加したり、寒肥(かんぴ)といって冬場の栄養補給をしたりして春を待つ準備も冬場も楽しみながら作業をしてみては如何でしょうか.

ナチュラル花壇12のポイント上編(#1~#4)はこちら

ナチュラル花壇12のポイント中編(#5~#8)はこちら