ナチュラル花壇 12のポイント

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上編からのつづきとなります

#5*植物のグルーピング

植物の特徴を見極めて

花壇には日当たりの良いところ、風の強いところ、軒下で夜露のあたらないところや湧き水の多い土地など環境は様々です。

植物は根を張って育つ以上自由に動けるわけではないですので、できるだけ原産地の環境に似た状況を作ってあげることが上手に育てるポイントといえます。寒いところで育っていたのか、もしくは熱帯のジャングルだったのか、乾燥地帯なのか?こういったことで地植えが可能か、水やりの回数などが決まってきます。

水の好きなグループと乾き気味が好きなグループを一緒に植えるとどちらかのグループが水やりの状況に応じて対応できずに枯れてしまいます。これは組み合わせによっては育たない苗があるということです

それから光に関しても同じです。日向を好むもの、半日陰が好きなものなど光の強さも違いがありますので植えようとする場所に合わせたグループのものを集める必要があります。

幸い日本にはこの半日陰が好きという植物が多くあり、昨今の住宅事情で北側の玄関まわりなどのコンディションに耐えられるどころか、活躍する植物もたくさんあります。ここまで読んでいただくと一年草の園芸品種だけが花壇に適しているという訳でなく結構沢山の選択肢があることにお気づき頂けると思います。

自分のこれから植えようとする所はどんな場所なのかをよく考えてその環境にあった植物をセレクトしてグループをつくってあげましょう。 花壇の場所がかなりの横広である場合や、植栽スペースが複数にわたる場合は、テーマを決めそのグループに属する植物を集めると、まとまりのある花壇になります。

それから持ち合わせの鉢や資材のテイストが、バラバラである時は、このグルーピングの考え方が役に立ちます。似た素材と相性の良い植物たちを近くに集めてグループとして捉えるとまとまらなかったアイデアが集約しやすくなります。

グループ間の境目はグランドカバーの植物を植えたり、ウッドチップやカラーの砂利を敷いたりしてゆるく仕切るのも良いでしょう。

#6*植物のフォルムから配置を考える

 点・線・面の要素の組み合わせを大切に

花壇がボリュームよく成長してお互いの植物が引き立って見えるためには、あまり聞いたことのない話かもしれませんが点、線、面の要素を意識して配置することが大切です。植物のフォルムを理解して分類してみましょう。 花壇全体を見渡してその一つがサイズ的に小さなものであれば点と捉えます。ちらっと見える小花などがこれにあたります。アマリリスやユリなど比較的大きな花であっても広いスペースでは全体の中では点となる場合もあるでしょう。

点の連続である線の要素は流れを作り、動きを出してくれます。主にはイネ科の細葉や草丈の長い茎が当てはまるかもしれません。広いスペースではジキタリスやグラジオラスも線の要素となります。 線と線に囲まれると面になります。面はどっしりとした安定感を与えてくれます。特に下方にこういった安定感のある植物をもってくるとバランスの良い配置になります。

好きな植物だけを沢山植えるのもそれはそれで楽しいのですが、を構成する要素のものだけでは動きが出にくくなり単調に感じられます。ナチュラルな感じには点や線の要素を加えることによって軽さや動きが加わって自然を切り取ったように変わってきます。

ここで仮合わせの仕方を説明しましょう。まずは主体になる面の要素を持つものを配置しましょう。どっしりした安定するものは後から追加しにくいものです。サイズ的にも大きなものを手に取り、ここからスタートしましょう。それから流れを演出する線の要素のもの、そして最後に彩り、トッピング的要素である点の要素のものを足していきます。仮合わせの中で足りない要素は何かを考えて追加していくと楽に組み合わせの修正ができます。植えるまえにまずは置いてみましょう

#7*植栽の基本形と植え方

植える位置は三角形に、根の取り扱いは大切に

先ほどの仮合わせによっておおまかな配置が決まりました。これから植えていくのですが、直線的に並べては畑の畝のようになってしまい自然な動きが出にくくなってしまいますね。

それぞれの苗が三角形を形成するように植えていくと育ってからもお互いが美しく見えます。また三角形の辺の長さを変えながら不等辺三角形を折りまぜるように意識すると育った時によりきれいでしょう。いずれ大株になる宿根草の近くに一年草を植えると次の入替時には成長して追加の苗が減らせるかもしれません。

またポットから苗を抜いたとき良い苗ほど白くきれいな根がびっしり巻いていると思いますが、この処置に悩むことはありませんか?植え付けに適した春秋であれば、下の方で巻き付いた根はほぐした方が定植後よく伸びます。ベストの時期を逃してしまった場合は植物の種類によりますがほぐさない方が無難です。ほぐす量は経験を積むことが大事ですが、底の方だけでとどめ、側面まで崩さなければ大失敗 はしません。まずは良い季節にほぐすことからトライしてみましょう。

実際に植え込むときは、根鉢よりすこし大きめに穴を掘って根鉢を置いて土をかけていきますが、そのときも根の取り扱いには注意してください。普段光にあたっていないところですので、すばやく植えて出来るだけ早く水をかけて土と根が密着するようにしたいのです。土をかけた後、密着するように棒ですき込む、または沢山の水を流し込む等、方法は苗の大きさ等で様々にありますが、必要なことは土との密着です。ここに植えると決めたら手際よく進めましょう。

 

#8*灌水 水やりのポイント

水やりはいつやるのが良いのか

植物は朝のうちに吸い上げた水分と二酸化炭素を使って光合成をし、酸素を排出して栄養を蓄えます。理想は朝の10時くらいまでに終えたいものですが、忙しい現代生活で夜しかあげられないという場合もあるでしょう。その場合は心配いりません。人間と同じで夜型生活ならそれでリズムが取れれば問題ないのです。植物も同じで適応してきます。

 『水が足りなくて元気がないけどやっていいのかな?』この問いには「ほとんどの場合は『すぐに水やりしてください』とお答えしています」。

しかしながら真夏の日中と真冬の夜半前は避けたほうが無難です。蒸れてしまったり、凍ってしまったりして傷むおそれがあるからです。また根腐れするか心配でたっぷり上げないのは逆効果です。花壇では鉢植えと違いますからたくさんあげてください。

『雨が降ったので水やりしないでよい。』会話の中でよく聞きます。パラパラと降った程度では表面を流れるだけ多くは土の奥深くまでは行き渡っていません。実際に土を少し掘ってみると湿っているのは表面から2~3センチまでなどはよくあることですので、少しの雨ではしっかりあげたほうが良いです。

私たちはタイマーなどで自動に散水する自動灌水装置で水やりの設定をする場合があります。これは季節の温度変化に応じて設定を変える必要があります。(年間を通して一定では植物にとって良くないからです)

そのための回数の目安は平均気温が25度以上になると毎日、15~25度の場合は一日おき、15度以下の場合は週に1~2回としています。たっぷり行き渡る量が目安ですが、これも植物の状態を見ながら、バルブの開放時間(灌水量)は調整します。

屋上緑化などの場合は土の量が少なく照り返しがきついなど植物にとって突発的に厳しくなる環境が想像されます。こういったところでは普段から少し水分が足りないかなと思うくらいの厳しく育てたほうがストレスに強い枯れにくい苗になりますので、少な目でも環境によってはちょうど良いということもあります。甘いトマトをつくるために水を絞る名人芸と原理的には同じですね。

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